※この記事は2026年10月3日時点の公式情報に基づいて更新しています(初版は2026年7月、日本で提供が始まる前に書いたものです)。AI検索・地図サービスの仕様や提供地域は頻繁に変わります。最新の状況は各サービスの公式発表をご確認ください。

「友人が仕事帰りに合流するんだけど、今夜7時に4人座れて、落ち着いた雰囲気のお店はある?」——これはGoogleが Ask Maps の公式発表で挙げている質問例です(英語の例を意訳)。こういう探し方を、地図アプリに話しかけてできるようにしたのが、Googleマップの Ask Maps です。日本語の画面では 「マップに相談」 という名前になっています(「アスクマップ」「アスクマップス」と呼ばれることもあります)。

2026年3月に米国とインドで始まり、2026年8月6日の発表で日本も提供対象に入りました。 この記事の初版(7月)は「日本ではまだ使えない」という前提で書いていましたが、その前提は変わっています。

「マップに相談」の使い方

Googleの日本語ヘルプに載っている手順は次のとおりです。

スマートフォン(Android/iPhone・iPad)

  1. Google マップ アプリを開く
  2. 検索バーの下にある[マップに相談]をタップする
  3. 質問を入力するか、マイクをタップして話しかける
  4. 送信アイコンをタップする(続けて追加の質問もできます)

パソコン

  1. ブラウザで Google マップを開く
  2. メニュー アイコンから[マップに相談]をクリックする
  3. 質問を入力して、送信アイコンをクリックする

パソコンでは WebGL という技術が必要で、ブラウザによっては動かないことがある、とヘルプに書かれています。過去の会話は履歴アイコンから開けて、削除もできます(削除は会話単位で、一部だけは消せません)。

ヘルプにある質問の例は、「今週末、車で15分以内に行けるおすすめスポットはありますか?」のように、条件を文章のまま入れる形です。キーワードを並べる必要はありません。

なお Google は、ヘルプで「AI による回答は、間違っていることがあります。回答をご自身でも再確認してください。」と注意書きをしています。

公式発表で分かっていること

2026年3月の初回の発表と、8月6日の拡大の発表から、事実として確認できるのは次の点です。

これまでのGoogleマップは、キーワードで検索して、並んだピンから自分で選ぶ道具でした。マップに相談が変えるのはその手前です。条件を言葉で投げると、AIが場所の情報とレビューを読んで候補を返してくる。 検索結果の上に出るAIの要約(Google AI Overview)で起きたことが、地図の中でも起きた、と考えると近いです。

そして、探すだけで終わりません。米国向けの発表では、候補を挙げたあと、保存・共有・予約へと地図アプリから進める作りが示されています(予約や注文の最後の手続きは、連携先のサービスで行う形です)。飲食店から見ると、地図が「探される場所」から「予約の入口」に近づいている、というのが私の見立てです。AIが予約まで代わりに進める流れ全体はAIエージェントが予約する時代で整理しています。

「AIに選ばれる方法」は、公開されていない

正直に書いておかなければならないことがあります。マップに相談がどういう基準で店を選び、並べているのかを、Googleは公開していません。 店側が表示をどう調整できるかについても、今回確認した公式資料には説明がありませんでした。

公式から言えるのは、材料として場所の情報とレビューを解析しているという事実までです。

もう1つ重要なのが、答えが人によって変わることです。Googleのヘルプは、マップのAI機能が使うデータとして、その人の検索内容、過去の会話、保存したリスト、本人が投稿したクチコミ、位置情報などを挙げています(パーソナライズの設定やマップ履歴の保存がオンになっている場合)。同じ質問でも、聞いた人や場所によって返る店が変わりうる。だから、「マップに相談での1位」という単一の順位は成り立たないと考えられます(これはGoogleが明言しているわけではなく、公式の説明からの推測です)。「マップに相談で上位表示させます」と言い切る説明があれば、公開情報を超えています。

AIごとに参照先が違う話はAIはどうやっておすすめの飲食店を選んでいるのかで切り分けています。

飲食店がいまやっておくこと

結論から言うと、マップに相談専用の裏技はありません。 やることは、すでに日本で効いている整備と同じです。ただ、Googleが「場所の情報とレビューを解析している」と書いている以上、そこに直結する部分の優先度は上がりました。日本で使えるようになった今は、後回しにする理由もありません。

1. 場所の情報を、正確に・欠けなく埋める

営業時間、定休日、住所、電話、ジャンル、メニュー、写真。ここが空欄だと、AIが読める材料そのものがありません。無料で今日できて、マップに相談に限らず効きます。具体的な埋め方はGoogleビジネスプロフィールの最適化チェックリストにまとめています。

2. 「条件で答えられる情報」を書いておく

マップに相談への質問は、「近くの居酒屋」ではなく条件付きになりがちです。人数、時間帯、雰囲気、個室、子連れ可、支払い方法といった条件が、文章のまま飛んできます。

その条件に対応する情報が自店側に書かれていなければ、AIは候補に挙げようがありません。「個室あり」「23時までフード提供」「ベビーカー可」といった事実がどこにも書かれていない店は、条件付きの質問から静かに落ちます。星の数ではなく、どんな店かを言葉で説明できる材料を置いておくことです。

3. レビューを、健全に積み上げる

Googleが解析対象として名前を挙げているもう一方が、レビューです。ただし方法は選んでください。サクラ、金銭や割引と引き換えのレビュー、利益相反のあるレビューは、Googleのクチコミポリシーで禁止されています。 来店客に自然に書いてもらう導線を作るのが、遠回りに見えて唯一続く方法です(飲食店の口コミがAI検索に与える影響)。

4. 情報の食い違いをなくし、ときどき自店の情報を確かめる

媒体ごとに営業時間が違う、店名の表記がバラバラ。この状態だと、どの情報を信じるかをAIが決められません。全媒体でそろえておきます(ChatGPTに自分の店を聞いても出てこない理由)。

加えて、Googleのヘルプには、マップに相談の会話の中で場所に関する情報を更新できると書かれています。8月の発表(まず米国で展開)では、利用者が店の看板の写真を上げると、マップが新しい営業時間を読み取り、投稿者の確認と Google の審査を経て修正が提案される、という例も紹介されています。お店以外の人の提案が反映されることもあるので、ときどき自店のビジネスプロフィールを開いて、営業時間や定休日が意図どおりになっているかを確かめておくと安心です。

やらなくていいこと

よくある質問

Q. マップに相談(Ask Maps)は日本で使えますか? A. はい。2026年8月6日のGoogleの発表で、日本が提供対象に入りました。日本語の画面では「マップに相談」という名前で、スマートフォン(Android/iPhone・iPad)とパソコンでの使い方がヘルプに載っています。

Q. アスクマップの使い方は? A. スマートフォンなら、Google マップ アプリの検索バーの下にある[マップに相談]をタップして、質問を入力するか話しかけます。パソコンなら、メニューから[マップに相談]を開きます。詳しくは上の「使い方」をご覧ください。

Q. マップに相談に自店を出すには、何をすればいいですか? A. Googleは選定の方法を公開していないため、「こうすれば出る」と言える人はいません。公式に材料として名前が出ているのは、場所の情報とレビューです。現実的な打ち手は、ビジネスプロフィールを正確に埋め、条件に答えられる情報を書き、レビューを健全に積み上げることです。

Q. MEO(マップ対策)をやっていれば十分ですか? A. マップの整備は土台として有効ですが、AIの答えに出るかどうかは別の軸で動きます。違いはMEOとLLMOの違いとは?で整理しています。

まとめ:材料を整える

マップに相談は、地図が「探す道具」から「相談する相手」に変わったことを示す機能です。日本でも使えるようになりました。ただし、選ばれる基準は公開されていませんし、答えは人によって変わります。

確実に言えるのは、Googleが材料として挙げているのは「場所の情報」と「レビュー」であり、どちらもお店の側で整えられるということです。基本情報を埋め、条件に答えられる情報を書き、レビューを健全に積む。それに加えて、ときどき自店の情報が意図どおりかを確かめる。やることはそれだけです。

気になった方は、まずご自身のビジネスプロフィールを開いて、空欄がどれだけ残っているか見てみてください。そこが一番確実な出発点です。


参考出典

記載の内容は2026年10月3日時点で公開されている情報に基づきます。